在留資格の変更・更新許可申請、永住許可申請の手数料が大幅引上げへ?―国会答弁で示された今後の方向性

はじめに

2026年4月10日の衆議院法務委員会において、出入国在留管理庁は、在留資格の変更・更新許可申請、永住許可申請の手数料について、今後の具体的な引上げ額のイメージを示しました。

現在の手数料は、

・在留資格変更・在留期間更新許可申請 6,000円(オンライン申請は5,500円)
・永住許可申請 10,000円

です。

これに対し、今後は、現在よりかなり高額になる可能性があります。

もっとも、現時点で、具体的な金額や施行時期が正式に決まっているわけではありません。

何が変わろうとしているのか

政府は、2026年3月、入管法改正案を閣議決定しました。

この改正案では、在留資格変更・在留期間更新許可申請の手数料の法定上限を、現在の1万円から10万円へ、永住許可申請については、1万円から30万円へ引き上げることが盛り込まれています。

もっとも、これはあくまで法律上の「上限額」です。

実際にいくら徴収するかは、法案成立後に、政令で決めることになります。

そして、4月10日の国会答弁では、実際の手数料について、在留期間が3ヵ月以下の場合は1万円程度、5年の場合は7万円程度に、そして永住許可は20万円程度を想定していることが示されました。

つまり、まだ正式決定ではないものの、かなり具体的な方向性が示されたことになります。

特に影響が大きいのは、短期更新の外国人

特に影響が大きいのは、短期で在留期間更新許可申請が必要な外国人です。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」や「技能」で1年更新となっている場合、更新手数料が、将来的には重い負担になる可能性があります。

また、家族も一緒に在留している場合には、本人だけでなく、家族の在留資格手続きに関する手数料も必要になります。

手数料は誰が負担するのか

手数料の負担に関して、法律上、変更・更新許可申請や永住許可申請をするのは外国人本人のため、原則的に手数料も本人負担となります。

そのため、現在では手数料は、当然外国人本人が負担するケースが多いでしょう。

ただ、「技術・人文知識・国際業務」や「技能」等の就労系在留資格について、会社の業務のために必要となる手続であることから、会社が負担する、又は会社と本人で分担するという考え方もあります。

例えば、現在でも、採用時の在留資格変更許可申請費用、毎年の在留期間更新許可申請費用、行政書士報酬等を会社側が負担している企業もあります。

もし、手数料が大幅に引き上げられれば、本人負担とするか、会社負担とするかによって、外国人本人の負担感は大きく変わります。
また、会社が手数料を負担することは、外国人材に対する福利厚生や定着支援の一環として、他社との差別化につながる面もあると考えます。

就労系の在留資格は、会社側の問題でもある

やはり就労系の在留資格は、単なる外国人本人の手続きではない点には注意が必要です。

「技術・人文知識・国際業務」や「技能」等の就労系在留資格では、

・実際の業務内容
・労働条件通知書・雇用契約書の内容
・報酬額
・社会保険・労働保険の加入
・労働社会保険諸法令遵守の状況

といった、会社側の労務管理や法令遵守の状況も審査の対象になります。

例えば、労務管理や労働社会保険諸法令の遵守に問題がある場合には、在留資格の変更・更新許可申請が不許可となる可能性もあります。

つまり、就労系の在留資格は、単に外国人本人の問題ではなく、会社側の雇用・労務管理とも一体の問題です。

そのため、やはり手数料も、外国人雇用・労務管理に必要なコストの一部として考える必要があるかもしれません。
ただし、繰り返しになりますが、法律上、在留資格の変更・更新申請や永住許可申請をするのは外国人本人のため、確かに手数料は本人負担が原則です。

今後、企業は何を考えるべきか

今後、企業としては以下の点に注意する必要があると考えます。

・外国人材の定着や会社の人員計画を踏まえ、3年・5年の在留期間が認められるよう、日頃から適切な労務管理を行う
・変更・更新許可申請で問題が生じないよう、実際の業務内容や、労働社会保険諸法令の遵守状況を確認しておく
・手数料が引き上げられた場合に備え、会社負担とするのか、本人負担とするのか、あらかじめ方針を決めておく

特に、中小企業では、とりあえず採用して、変更・更新許可申請はその都度考えるという対応になってしまうこともあります。

おわりに

今回の国会答弁により、在留資格の変更・更新許可申請や永住許可申請の手数料について、現在より引き上げる方向で検討されていることが、かなり具体的に示されました。

もっとも、まだ正式決定ではなく、今後、法案成立後に、政令によって具体的な金額が決まる予定です。

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