外国人の転職後の手続き―就労資格証明書交付申請の重要性

はじめに

外国人が転職した場合、新しい仕事が現在の在留資格によって適法に行うことができる業務内容なのか、判断に迷う場面があります。

このような場合に活用できる制度が、就労資格証明書交付申請です。

もっとも、この制度、申請は義務ではないため、就労資格証明書を取得しなくても、直ちに問題になるわけではありません。

そのため実務上では、状況に応じて、念のため証明書を取得しておくケースもあれば、取得せずに次回の在留期間更新許可申請まで待つケースもあります。

今回は、就労資格証明書について、転職後の実務の観点から整理します。

就労資格証明書とは

就労資格証明書とは、言わば、外国人が現在行っている活動が、在留資格の範囲内にあることを公的に証明する書類です。

転職をした場合でも、新しい業務が現在の在留資格の活動範囲に該当していれば、法律上はそのまま就労を続けることができます。

しかし、その適合性については、多くケースにおいて、次回の在留期間更新許可申請の際に改めて確認されることとなります。
つまり、転職した時点では、必ずしも入管の判断が明示されるわけではありません。

そして就労資格証明書交付申請は、現在の業務内容と在留資格との関係を確認するための制度と言えます。

必ず申請しなければならないというわけではない

ただ、この制度は必ず利用しなければならないものではありません。

就労資格証明書がなくても、実際の業務内容が在留資格の活動範囲に該当している場合には、違法な就労にはなりません。
そのため、転職後に必ずこの手続きを行わなければならないというわけではありません。

実務では、転職後の業務内容や残りの在留期間などを踏まえ、申請するかどうか判断することになります。

更新が近い場合

例えば、在留資格の期限が迫っている場合には、就労資格証明書を申請せず、そのまま更新許可申請において審査を受けるケースもあります。

更新許可申請では、業務内容、雇用契約、在留資格との関係などが改めて確認されることになるためです。

特に、転職後初回の更新許可申請では、従前とは異なる業務内容、企業実態が確認されることになるため、実質的には在留資格変更許可申請に近い形で審査が行われる場合もあります。

更新まで期間が長い場合

一方、更新まで2年、3年といった期間が残っている場合には、状況は少し変わってきます。

仮に、在留資格の活動範囲と実際の業務内容との間にズレがあった場合、その状態が長期間継続する可能性があります。

外国人本人にとっても不安定な状況ですが、企業側にとっても、在留資格との関係について入管の判断が明示されていない状態で雇用し続けることになります。

企業の外国人雇用においては、このような不確実な状態を防止することは非常に重要です。

その意味では、就労資格証明書を取得しておいた方が良いケースは確かに存在します。

在留資格変更許可申請が必要なケース

なお、転職後の業務内容が、現在の在留資格の活動範囲に該当しない場合には、就労資格証明書ではなく、在留資格変更許可申請が必要になることもあります。

就労資格証明書は、あくまで「現在の在留資格の範囲内かどうか」を確認する制度であるため、在留資格そのものを変更する手続とは役割が異なる点には注意が必要です。

おわりに

外国人の転職に際して、就労資格証明書は、必ず取得しなければならないわけではありません。

ただし、現在の業務内容が在留資格の範囲内にあるかどうかが、後の在留期間更新許可申請において問題となるケースは少なくありません。

特に、転職後初回の更新許可申請では、従前とは異なる業務内容や企業実態が確認されることになるため、実質的には在留資格変更許可申請に近い形で慎重に審査が行われる場合もあります。

そのため、転職内容や更新までの期間によっては、就労資格証明書を活用し、あらかじめ在留資格との適合性を確認しておくことも重要です。

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